| 『自殺者、6年連続で3万人を超す。2003年度は史上最悪の3万4千人突破』等の警察庁による発表がマスコミ報道を賑わしていました。30才代、40才代の、職場を原因とするストレスからのうつ病を起因とする自殺の増加の傾向が顕著になっています。また自殺により残された遺児の数は1万3000人にも達しています。職場を起因とするうつ病の増加を受けて、今回は、「労災認定」という視点から、従業員に対する企業責任の現状を考えたいと思います。
2001年12月に労災認定の基準の見直しが行われ、それまで「症状が出るまでの1週間」としていた就労状況の評価期間を半年間に拡大し、長期間の過重業務を判断材料に加えました。 更に2004年8月、厚生労働省は労働安全衛生法に関し、月100時間を超える長時間の残業をした労働者を対象に医師による心身のチェックを企業側に義務付け、企業の責任を明確にする方針を決めました。この動きに関しては、審議会を経て来年の通常国会で、法改正を目指すとしています。
尚、その際発表した報告書によると、月100時間以上のほか、2−6カ月間に月平均80時間を超える時間外労働(残業)をした労働者を「ハイリスクグループ」と規定しています。(2004.08.18
共同通信)
◎精神障害
仕事上のストレスなどが原因の「精神障害」は、2003年度の請求は438件(前年度341件)で、労災認定されたのは108件(同100件)で、いずれも過去最多だった。
うち自殺事例は43件 (2004.05.26
毎日)
◎世代別・職種別
世代別にみると、30代が39人で最も多く、29歳以下25人▽40代22人▽50代19人▽60歳以上3人と、各世代に広がっている。職種別では、システムエンジニアや情報処理技術者などの専門技術職が28人、製造工などの技能職が24人だった (2004.05.26
毎日)
また、2003年11月には、今までにない画期的な労災認定が報道されました。それは会社内で隔離され、仕事を与えられず、うつ病になった神奈川県内の男性会社員2人に関する労災認定です。仕事が原因のうつ病は、長時間労働など過労によるものがほとんどで、仕事を与えられないことによる認定は初めてです。リストラや社内いじめなどについて企業は更なる対応を迫られる事になると思われます。
このように、従業員のメンタルヘルスに関する企業の責任は、法的にも重いものになってきています。今後も、企業の社会的責任を考慮に入れた、企業としての体制作りの重要性が増してくるのは間違いありません。 |