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(9)「理念」を実現するための方法 |
経営理念やビジョンが立派な会社はたくさんあります。しかし、理念通りの経営が出来ている会社はごく少数です。というよりも、ほとんどないと言って良いでしょう。しかし、理念を実行している少数の会社には共通点があります。それは、組織風土の中に「まず、やってみろ!!」Just
Do it
!という行動偏重主義が徹底されていることです。なぜ、行動を偏重することが大切なのかを以下に記します。
@固定観念を排除する
目標や新しい課題に挑戦するときに最大の障害になるものは、偏見、先入観、固定観念です。CSRを行うために新しい理念を作成しても偏見に邪魔されて、理念が目指している目標が見えていないということは良くあることです。立派な理念集が枕代わりになったり、毎朝の唱和が単なる空念仏に終わっています。毎朝の唱和よりも現場でのひとつの実行を承認して横に展開することが大事です。理念の心を忠実に体化している行動を表彰するのです。なぜ、表彰するかというと行動によって付加価値が生まれるからです。行動によって、やれば出来るということがわかります。
A否定的な幻想がなくなる
やりもしないうちから「どうせ、出来ないよ」という気持ちになるのは、理念を前にして論議だけをしているからです。一歩踏み出すことによって一里塚が見えてきます。やる気がますます出てきます。
B一人でやれることには限界がある、ということがわかる
野球選手のイチローも言っているように「一人では大したことは出来ない」のです。机上の論議が好きな会社が業績を上げられないのは優秀な社員がいても、チームで仕事をしないからです。IBMを立て直したルイス・ガースナーが言ったように「優秀な人材がチームを組めば何でも実現する」のです。CSR理念という優れて集団的な協力行動を必要とするものを実現しようというのですから「チームを組め!」がスローガンになります。同時に、チームを組む、ということは行動をしろということです。
C相乗効果が生まれる
行動の連鎖がシナジーを生むのです。1プラス1が3以上になります。行動のつながりで考えることによって単なるコストになっている休眠時間が無くなります。多様な意見が集積され、掛け算されることによって大きな付加価値が生まれます。
D失敗から学ぶことが出来る
最近、不祥事を起こした会社を見ると共通の企業風土を持っていることがわかります。失敗から何も学んでいないのです。むしろ、失敗を許さない組織風土を持っている企業が大きな致命的な失敗をしていることに気づきます。行動をしない会社です。ですからイノベーションも起きないし、何が起きても全てを単純化してしまいます。昔もそんなことがあったよ!で全てを終わらせてしまう会社です。進歩が全くない会社です。行動をする会社は、行動すると事前には予想もしなかった事態が起きることに気づくのです。危機に強くなるのです。イチローでも60%以上は失敗です。そこから学ぶから彼は262本も安打を打ったのです。行動しない会社には、失敗がありません。従って、成功もありません。
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(10)行動偏重の風土をどうやって作るか? |
これが一番大切です。理念は金さえかければ出来ます。しかし、実行はお金では出来ません。ライブドアをみればわかります。ここに教育訓練の重要性があります。しかし、座学の教育は、役に立ちません。
また、個性豊かな人材を形に嵌めるだけの研修も無用です。ところが、日本の企業の経営者、教育担当者は無駄な教育が大好きです。今、日本の会社がやっている教育のうち80%はすぐにやめてもなんら企業の業績に影響を与えないでしょう。頭でっかちの行動しない人間を一生懸命に育てているからです。
しかし、行動による教育というとすぐにオリエンテーリング、とか野外で飛び回る研修(サーカス研修)をやるところがありますが、それも間違っています。右脳を使ったら倍以上、今度は左脳を使わないと効果が出ません。ところが、野外活動研修をやる会社は座学のノウハウがありません。どちらも半端です。日本で両刀使いの研修をやる会社が少ないのは(マルハン、東芝、東京ドーム、ニコンなど)、このような両刀使いの研修会社が日本では一社しかないからです。
CSRを体化するための教育ですから、行動することの重要性を体で覚えなければだめです。スピードと規律が命です。規律は、瞬時の決断と行動の連鎖から生まれます。踊る大捜査線でSATの隊長が言う「俺たちも自分の判断で来た!」です。
行動中心主義の経営の核心は、「エンパワーメント」です。エンパワーメントとは、狭い意味で権限委譲、広い意味で周りの人たちの体内に自信を漲らせることです。これが出来ると当然ですが、行動中心主義の経営が実現されます。これが、実現されればCSRも具体的に実践されることになります。
以上のところでお分かりのように実は、CSRの実現を満たすための十分条件は、売り上げを伸ばしたり、顧客満足度を最高にするために必要な条件と同じなのです。どちらも「行動」がなければ生まれないからです。オフサイトミーティングなどで企業風土の変革は出来ません。イスに座って机の前で議論をして変革が出来るなら、どんな会社でも毎期史上最高の利益を上げるでしょう。
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