中村 宏一 著
第1回 情報機器を安心・安全に使う為のリスクコントロールの方法
私は長年企業のネットワークセキュリティーシステムの構築や運用等に携わってきました。そうした経験から言えるのはここ数年の不正侵入や情報漏洩への危険度は飛躍的に増大しているのが現状です。
このような現実は何も企業に限った事ではなく、個人使用のADSL等のインターネット環境に接続したPCでも全く同様の危険にさらされています。一見素人ではどうにもならないようにも思えますが、ネットワークも危機管理の応用と考えれば危機管理の基本的な手法を使えば、ちょっとした工夫でPCを安全に使う事は可能なはずです。ここではそのノウハウを6回に分けて伝授します。
◇知る事で、リスクは半減する
この事は危機管理の基本的な考え方の一つで、あらかじめ今なにが起こっているのかを知っておけば、いざというときに慌てずに対処できる訳です。一般家庭用のネットワークで何が起こっているかを御紹介します。
◇危機には予兆がある
突然使っているPCのデータが壊れた!、表示がおかしくなった!、重要な個人データを奪われてしまった!!!、と気づくことは実はよくあることなのです。
しかしちょっと待ってください、その前に素人でも、ちょっと注意していれば気づく予兆があるのです。予兆に気づく為の自分のPCのチェックポイントを御紹介しましょう。
1.ただインターネットに接続しているだけで感染する事実を知れ!
私は、確かにインターネットに接続しているけど、メールもめったに使わない、ネットサーフィンを時々するだけでいわゆるアダルトサイトも見ない、ましてやフリーソフトのダウンロードもしないから大して危険はない!と思っている方も多いのではないでしょうか?
しかもPCを購入した時に一緒にセットされていたワクチンソフトも使っているが、特に何の反応もないから安全と決め付けている方もいるのが実情です。しかしです、技術の進歩はウイルス、スパイウェアーも同じで、現状ではただインターネットに接続しているだけで何もしていなくてもウイルスにも感染しますし、スパイウェアーにも進入されます。この事実を知って下さい。そうすれば対策をとることが出来ます。
□あなたのPCの振る舞いをチェック
あなたのPCがこんな振る舞いをしたら感染を疑いましょう。
【ウイルス・従来のウイルス】
いわゆるワクチンソフトで対策が可能です。
・以前より、Excel、Word、ホームページの表示や動きが遅い(重い)と感じる
・意味も無く画面がチラつく
・画面表示の一部又は、全部が意味不明な表示となり回復しない。
・メールの送信履歴に、覚えの無い送信履歴が大量に残っている
・一度特定のアダルトサイトを見ると、勝手に大量のサブウインドーが開き、しかも海外の有料サイトへ勝手に接続してしまう(一旦電源を落としても動きを止める事ができなくなる)
【ウイルス・新種のウイルス】
ウイルスが悪さをした後、ウイルスは自分自身を削除し証拠を隠滅するので、いわゆるワクチンソフトで発見が難しくなっています。
・ホームページの表示の一部が極端に大きくなり、元に戻せない
・ブラウザー上部メニューで、「表示」→「文字のサイズ」→「中」又は「小」とセットしても変化がない場合。
・保存していたファイルが、再生も、修正も、コピーも更に削除までも出来なくなっている
【スパイウェアー】
ワクチンソフトで存在が確認できるものもありますが、あまり期待できません。
・インターネットで表示が遅くなった場合
・殆どファイル等保存した覚えがないのに、ディスクの残り領域が極端に少なくなっている
・作成した覚えの無いフォルダーが大量に存在して、その内部にPCに保存しているファイルと同一のファイルがコピーされている
□プロでなくてもやれる対策
いったんウイルスに感染したり、スパイウェアーに進入されたりしても、簡単な対策を行うだけでもこれ以上の被害を防ぐ事ができます。
【ウイルス・従来のウイルス】
・アンチウィルスソフトは別途契約して、最新のウイルス情報を更新するようにする
→ちょっとPCになれている方なら、下記のフリー版のアンチウィルスソフトをインストールする
(ウイルス情報も自動更新される)
【avast!
4 Home Edition】
http://www.forest.impress.co.jp/lib/inet/security/antivirus/avast.html
【ウイルス・新種のウイルス】
厄介なパターンです。現実的には素人では修復できません。
Windowsの機能を破壊する為にWindowsの再セットアップが必要となります!
【スパイウェアー】
対策は意外と簡単です。
自分が作成した覚えのないフォルダーやファイルを削除すればOK!
→デスクの空き容量を時々は確認する習慣をつけましょう
【依然有効な方法】
・メールの添付ファイルで、名前から中身が解らないファイルはクリックしない
・メールの添付ファイルをダブルクリックして、次々に勝手にメールが送信され始めた場合
→LANコネクターからLANケーブルを引き抜く
【注意】
ここでの情報は一般論で、セキュリティーの適用はPCの環境、使用方法で変化しますので、必ずしもあなたのPCに当てはまるとは限らないことをお断りしておきます。
しかしながら、筆者は「危険だからと使用を控えるのは敗北である!」と信じています。危機を意識してちょっとした注意をするだけでも危機は半減すると信じてその為のノウハウを提供してみました。
☆今後の予定
2.パソコンを安心・安全に使用するには
ウイルスやスパイウェアーだけがPCのリスクではない!
ここで個人でのPCの用途とリスクを整理しましょう。
3.怪しげなメールの謎。。。
次々に送られてくる迷惑メールって不思議に思いませんか?
個人情報であるはずのメールアドレスや住所の漏洩と、簡単に出来る情報漏洩元の判断方法をお教えします。
・Web画面の住所入力での工夫で情報漏洩元を見つける方法
4.ウイルスとスパイウェアーについて
ウイルスとスパイウェアーの違い!?
ワクチンソフトさえあれば防げるわけではない!簡単で効果的な対策を伝授します。
5.パソコンのセキュリティー対策ソフトについて
ほんの少しPCに慣れている方が、この記事を参考にしていただければ有効な対策が可能となります。
・ワクチンソフトとパラメータファイルの更新
・マイクロソフト社以外のメーラーソフトを使う
・パーソナルファイアーウォールの設定
・ADSLの設定でセキュリティー強化
6.検索エンジンの仕組みとリスク
インターネットは巨大なデーターベースと考えれば、必要なデータを見つける検索エンジンを理解する事は、情報リスクの回避にも繋がります。
・検索エンジンの仕組みと運用
・検索だけでなく、情報発信にも活用できることをご存知ですか?
以上毎月1回、残り5回でお送りします。 |