○ 第11回 2008年3月
「拝啓  YOSHIKI 様」

○ 第10回 2008年2月
「拝啓  勝間 和代 様」

○ 第9回 2007年12月
「拝啓  松浦 勝人 様」

○ 第8回 2007年10月
「拝啓  ポール・サーベンス(Paul Sarbanes)  マイケル・G・オクスリー(Michael G.Oxley) 様」

○ 第7回 2007年9月
「拝啓 島田 紳助 様」

○ 第6回 2007年8月
「拝啓 J.K.ローリング 様」

○ 第5回 2007年7月
「拝啓 中田 英寿 様」

○ 第4回 2007年6月
「拝啓 小室 哲哉 様」

○ 第3回 2007年5月
「拝啓 Google 様」

○ 第2回 2007年4月
「拝啓 澤上 篤人 様」

○ 第1回 2007年3月
「拝啓 カルロス・ゴーン様」

○ 作者プロフィール
 
     第1回  拝啓 カルロス・ゴーン様
林 直介 著      

今年は例にない暖冬で驚かれたことでしょうか、私は毎年の楽しみであるウインタースポーツが出来ないことが残念でならない年になってしまいました。
しかし今日みたいな春に近い陽気の中を御社のスカイラインで国道134沿いをドライブするのは悪くはありません。むしろちょっと早い春への“SHIFT−spring”を楽しんでおります。

さて本日は急なお手紙で申し訳ありませんが最近の企業動向や御社での公用語である英語についての関係が気になり筆をとった次第です。


● 顧客思考へ

今年に入り、三菱UFJフィナンシャルグループやJAL、HOYAが続々と大きな経営判断を具現化しようとしています。会社として経営判断をしていくことは当然、生き残りのために必要なことであると思います。
しかしそれだけでしょうか。企業にとって生き残りが先行し顧客(消費者)思考をちゃんと考えてのことなのかは疑問です。そしてどうしても企業のプレスリリースを考えても顧客にとって判り易いように書かれている気はしません。
この代表例はSoftBankの携帯料金プランをとっても判ります。最終的にSoftBankは広告の出し方を考えざるえない状況になってしまったことで企業側の認識の甘さを感じます。

対照的に大企業だからと言っても目に見張るのがGoogleです。設立から10年足らずで時価総額15兆円以上になっています。何よりGoogleの強みは無料で情報を提供し続けていることだということです。そしてこの無料が誰にも真似の出来ない無料ということで次々と成長の階段を上がってきたことは言うまでもないことですが…。
大企業になったからアメリカ企業だから日本企業と違うのは当たり前という言い方もできるとは思います。ただ三菱UFJフィナンシャルグループやJAL、HOYAは世界を睨んでの経営判断に思えます。世界市場を考えての経営判断に思えますが、どうお考えでしょうか。

ただ国内市場での戦略も疑問が残る部分もあります。例えば銀行の手数料は顧客思考でしょうか。確かに今になってやっと手数料は無料の動きも出てきています。しかしこれは競合他社の新生銀行が無料で顧客に提供すること、かねてからの世論動きもあることの影響であるとしか思えません。
上記のGoogleではありませんが今後、初期費用は無料を顧客(消費者)に与える必要性は企業にもっと迫られる気がしてなりません。それは同時に企業にとってサービスをする上で前提がすべて無料にならなくてはシェアがとれない、何より便利なサービスであっても顧客(消費者)に伝わらなくなる方向に向かっているといえます。だからブロードバンドの光サービスにしても初期設備費用を無料で提供しているのではないかと考えております。

● 世界へ
商圏が狭い日本企業。これはかなり私にとっての疑問点です。

御社にあなたが来て以来、日産内の公用語が英語になったことは有名な話です。私の知人である御社社員も例外ではなく目の色を変えて英語を習得したことは余談ですが…。
今後、人口が減る日本において顧客(消費者)全体数が減ることを意味しています。
にもかかわらず相変わらず日本企業は国内のみに目を向けているようにしか思えないのは疑問です。先ほど記述しました企業でも世界市場を考えての戦略ではないか、と書かせて頂きましたが現実は圧倒的に英語をしゃべれる人間が少ないことに変わりはないはずです。それなのに世界市場に行くこと自体にあまり意味はないようにも思います。私は何もネイティブレベルの英語を要求しているわけではありません。英語でコミュニケーションをとれる人間が少ないことはもうそれ自体、企業にとってマイナス材料になりつつあることは目に見えている現実になりつつあると私自身も危機感をつのらせております。

ちょっと想像してみました。
自分の勤めている会社の人間全員が英語をしゃべれることを。

商圏は一気に世界レベルで取り扱えることを考えられました。
確かに一足飛びに世界を相手にはとはいえません。ただ可能性は大きく広がるように思えました。にもかかわらず日本企業は相変わらず、この状況を理解していないように思えます。ベスト・プラクティスといっても結局、御社での成功劇は対岸の出来事くらいにしか考えていないように思えるのは悲しいことです。

確かに団塊の世代を狙って経営戦略を練るのも企業としての戦略です。先を見越しての英語でコミュニケーションのとれる人財の獲得育成によって商圏自体を広げることは新規ビジネスを立ち上げるより同じサービスを英語でも出来ますと言う方がよっぽどコストパフォーマンスはいいように思えてなりません。これからの企業は語学という武器によっても商圏の可能性を広げられる気がしてなりません。

これからも、御社から常に“SHIFT−”を勉強させて頂きたいと思います。

最後になりましたが、今後ともますますのご発展をお祈りしております。

                           敬具

 
 
 


 
 
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