○ 第11回 2008年3月
「拝啓  YOSHIKI 様」

○ 第10回 2008年2月
「拝啓  勝間 和代 様」

○ 第9回 2007年12月
「拝啓  松浦 勝人 様」

○ 第8回 2007年10月
「拝啓  ポール・サーベンス(Paul Sarbanes)  マイケル・G・オクスリー(Michael G.Oxley) 様」

○ 第7回 2007年9月
「拝啓 島田 紳助 様」

○ 第6回 2007年8月
「拝啓 J.K.ローリング 様」

○ 第5回 2007年7月
「拝啓 中田 英寿 様」

○ 第4回 2007年6月
「拝啓 小室 哲哉 様」

○ 第3回 2007年5月
「拝啓 Google 様」

○ 第2回 2007年4月
「拝啓 澤上 篤人 様」

○ 第1回 2007年3月
「拝啓 カルロス・ゴーン様」

○ 作者プロフィール
 
     第4回  拝啓 小室 哲哉 様
林 直介 著      

● 10年前を振り返って
先日、G8がヘッジファンドの規制を新たに行うことや日本政府もファンドの実態を見るために検討に入るそうです。
もともとファンドが日本に言葉として一般人の目に入ってきたのは10年前、ちょうどアジア通貨危機でLTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)の破綻前夜、外資系ファンドがハゲタカファンドとマスメディアに叩かれ、すべての不況の権現のように言われていた時代でした。

小室さんのREMIXアルバムがでることをネットサーフィンでキャッチすることができました。ここで面白かったのはHIDE佐野元春の曲が使われていることです。
全10曲が小室系REMIXになっていることは大変興味深いです。
今から10年前、小室さんは大活躍でしたよね。
日本でプロデューサーという言葉を世間に認知させた第一人者でした。
まさにwith Tのブランドは一人歩きする異常とも言える状態が続いていたと思います。

● 今だから言えるwith Tの功労
98年のCD売上が最高を記録し音楽マーケット自体が縮小していく中でマーケティングの4Pを駆使していたことは今になって考えると本当にビジネス的な思考で音楽業界を席巻していったんだなと尊敬せずにいられません。
鈴木あみの2ndシングル以降は12pでリリースしていったことです。
それまでは8pが主流でしたが当時、売出し中であり人気アイドルが12pをだし続けたことで後発組もでてきました。私はお恥ずかしい話、マーケティング理論があるなんて知りもしませんでした。ただ売り場で目立つための広告戦略なのかな、くらいにしか考えていませんでした。しかしこれは12cmにすることで多少の購買側にお得感をだし価格設定を高くするためのものと後々になって知ることになるのですが・・・。

利益アップをするためには単価アップか販管費ダウンをさせることにおいて価格をアップさせることを難なく成功させたことです。この12p作戦は、各レコード会社で現在も続いています。むしろ今、8cmで売り出すことが新しい状態になっている気がしてなりません。

他には小室さんの作品にはC/Wがないことです。通常なら1曲目と2曲目という形でしたが小室さんの作品には2曲目には1曲目のREMIXが入ることも新鮮でした。
これも今ではR&B系のアーティストにはよく見られる手法だと思います。
REMIX戦略もマーケティング的には合理的ですよね、2曲は最低収録しないと規定の金額で売れない。そこで1曲目は当然シングルなので売れる曲を収録し、かつ2曲目はREMIXを入れることで次回以降のMIXの参考にするような実験的な思考をいれていく。
1曲作ることで1枚の作品をリリースすることができる仕組みを作ったわけです。

● 嗜好ではなく
また曲だけではなく作詞・作曲・プロデュース、他にはコーラスや演奏までもこなすことで印税までも多く稼ぐことはビジネスモデルとしても突出していました。
前述したように1曲を効率的に活かしていくことが本当にうまかった。
1曲を効率的に活かすことが重なり合わさるところにTM Network時代のシングル3枚同時リリースやglobeのシングル4週連続リリースというような新たな広告戦略を築いていったことは理論的に考えたら本当に筋が通っていることです。コロンブスの卵で初めの一歩を踏み出したことが重要で大変なことは本当に評価されるに値することです。
メジャーで、プロでやる以上、“売れるため”にやることが資本主義ですから売れるためにはということを打出していたことは必然かもしれませんが・・・

● 今の音楽市場→これからの音楽市場
すでに80年代のリバイバルまででてしまった感のある日本で次は90年代で商戦が巻き起こることは明らかであると思います。このリバイバルブームが起きたときに必ず小室さんが再度クローズアップされることもあるでしょう。この時にまた新たな手を打って再度、小室系がでてくることを個人的には楽しみにしています。
もともとコンピューターを駆使してきた小室さんだけにやっと時代が追いついてきた様に思っていらっしゃるでしょうけど今だからこそ昔できなかったことをドンドンやってほしいと思うのです。
今ではCDだけではなくDVDもCDとセット販売することで映像でも購買層に訴えかける販売戦略がとられています。前述したマーケティングの4Pを変えたものに過ぎないし映像と言う点でもTM Network時代から“どうしたら映像の中にかっこよく映るのか”ということとも通じる点はあるからなおさら小室復活に期待感は高まってしまうのです。
さらに最近では輸入版CDが廉価で売られていることやここ数年で携帯にダウンロードすることやiTunesが台頭してきました。今まではCDという媒体からでしか曲はきけませんでしたがネット経由で何でも手に入ってしまうことからビジネスモデル自体も根本的に変ってきている、変わらなくてはいけない時代になっていることを明らかです。
技術革新によって新たな市場が開拓されたことで音楽業界にも再編ムードが高まりつつあると思います。小室さんなら今ここでどのような戦略を打っていくのでしょうか。

● 画一的な売り方
ビジネスでやる以上は人と違ったことがコア・コンピタンスを作る大事なことです。
ただ日本の音楽業界を見ている限りはデビューしました、CD出しました、ライブします。
もっとも基本的なことの繰り返しそれはサーカスの様です。
安室奈美恵、華原朋美、globe、trfどれをとっても独自のものを持っています。
それは“売り”です。曲調もさることながらキャラクラーが確立しているのです。
安室奈美恵のR&B調の曲、華原朋美の高音で歌い上げるハイトーンハスキーボイス、globeはプロデューサーとして小室さんも入りさらに常に新しい提案を視聴者に投げかけ、trfではDJとダンサーがいるグループでした。今では当たり前にとられている手法が当時では誰もやっていないことで斬新でした。
結果が

1996年4月15日付けのオリコンシングルチャートで、

1位が安室奈美恵の「Don't wanna cry」
2位が華原朋美の「I'm proud」
3位がglobeの「FREEDOM」
4位がdosの「Baby baby baby」
5位がtrfの「Love&Peace Forever」


という快挙を打ち立てました。
1位から5位までを小室さんの作品で埋め尽くしました。

ただただコア・コンピタンスを確立しただけなんでしょうけど・・・。
これは人がやっていないことに取り組んでだした結果だと思うのです。

● 音楽業界の今後
現在の音楽シーンではHIP HOPが席巻し仲間が仲間を呼んでブレークしていく形がよく見られます。何より音楽というカテゴリーに同じ商品しか出揃わなくなってきてしまっていることは商品を選ぶ選択権がないことと同じです。
この状況はすごくストレスを感じることですし、ネット普及や英語自体話せる人も珍しくなくなった今日では本場のアメリカでのHIP HOPを買ったほうがよっぽどいいような自体になっています。
2006年にバブル青田をプロデュースしたことは記憶に新しいところですが話題性もありましたがそれだけじゃ売れないと思うのです。まだダンスサウンドを待っている人がいるという証拠を掴んだはずです。だからこそ90年代リバイバルブームを待ち、小室さんのビジネス展開も心待ちにしてしまうのです。

                           敬具

 
 
 


 
 
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